ダンテ「神曲」

”Lasciate ogne speranza,voi ch’entrate.” (汝らここに入らん者、すべての望みを棄てよ。)~「地獄篇」

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ウエタツです。

今回は、先月のNHKラジオの、イタリア語講座で教材として取り上げられており、過日、溝江先生の多言語コミュニティの講義でも、題材として使われていた、ダンテの「神曲」について、書いてみようと思います。

ダンテ・アリギエーリDante Alighieri[伊]、1265年 – 1321年9月14日)は、イタリア都市国家フィレンツェ出身の詩人、哲学者、政治家。 日本でいうと、鎌倉時代の頃の人ですね。ルネサンス文化の先駆者として評価されています。

ダンテは、その生涯において、2つの大きな不幸を味わっております。ひとつは、永遠の恋人ベアトリーチェとの出会いと別れであり、今ひとつは、祖国フィレンツェの為に働く政治家となった後、愛する故郷を不当な理由で追放され、37歳の時から56歳の生涯を終えるまで、天涯孤独、放浪の身となったことであります。

ダンテが9歳の時に見初めたベアトリーチェ。9年後、再会したダンテは、その喜びを詩「新生」に書き綴ります。しかし、貧富の差は激しく、結ばれぬまま、ベアトリーチェは24歳で病死してしまうのです。その後、悲哀から立ち直ったダンテは、政治家として活躍するも、絶大な権力を誇る教皇・教会勢力との政争に巻き込まれ、国外追放となってしまうのでありました。

しかし、ダンテは、そんな自らの不運と悲哀をバネとして、不朽の名作「神曲」を残したのです。

というわけで、読んでみました、ダンテの『神曲』♪

…って、マンガじゃないか!と突っ込まれそうですが、今はビジネスの啓発書などでも漫画化が盛んで、コレがなかなか侮れないといいますか、ザックリとイメージを掴むには、とても良いと思います。

もちろん、学生時代に悪戦苦闘して読んだ(翻訳本です!)記憶はあるし、今回もザッと読み返しはしたものの、何せ原作は 全14,233行の韻文による長編叙事詩であります。更に、その中に、キリスト教の世界観、神学、哲学等が散りばめられているとあっては、一筋縄でいきません。

「神曲」とは、どんな話か?を、ごく簡単にいうと、(永遠の恋人ベアトリーチェを失い、苦悩に沈み、)暗い森の中に迷い込んだダンテが、大詩人ウェルギリウスの案内で、9つの「地獄」を見て回り、地球の中心を突き抜けて、罪が浄化される「煉獄」(れんごく)山へと辿り着く。登り切った山頂からは、再会したベアトリーチェに導かれて、天界を巡り、至高天(エンピレオ)へと昇りつめる、という話であります。

ダンテが、「神曲」で意図したものとは何か。それは、悩める人を、如何にして幸福へと導くか。中世暗黒の地獄の苦しみにある民衆を、如何にして幸福の天上へと誘うか。ここにこそ、ダンテの真意があると思います。元々の原題が「喜曲」であったことも、ラテン語ではなく、庶民の言葉であるトスカーナ語で書かれたことも、それを指し示していると思います。また「神」は、単にキリスト教の「神」のみを指すのではなく、もっと普遍的な至高の存在を表しているとも言えると思います。

以下、「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の、それぞれについて、簡単に見ていきます。

【地獄篇】 すり鉢状の地獄では、軽い罪から重い罪へ、ダンテは、ウェルギリウスとともに、下方へと進んでいきます。

そこでは、肉欲者、浪費者、憤怒者、暴力者、汚職者ら、そして反逆者が、地獄で苦しむ姿が、極めてリアルに表現されています。

ダンテは、地上の最高権威とされたローマ教皇すら恐れず、人間精神の永遠の高みの上から、断罪していくのであります。

【煉獄篇】煉獄とは、天へ昇る前に、「自ら」罪を清める場所とされています。この煉獄の山を登り終えたとき、全ての罪が清められ、天界へと導く光が現れるであろう、と。

ここでは、高慢や自惚れ、嫉妬、怠惰、貪欲、淫蕩に耽った人々が、自らの罪を悔い改め、魂を浄化していく様が描かれています。

煉獄山頂へと辿り着いたダンテの前に、地上の楽園の花の雲の中から、天使ベアトリーチェが現れ、十数年ぶりに再会したダンテに、語りかけます。美しい場面です。

【天国篇】 ベアトリーチェに導かれ、光明を放つ魂たちに歓迎されながら、至高天に向けて天国を昇り続けるダンテ。旅の終わりに、ついに神を見るのであります。

ダンテは、亡命の悲哀の最中、全生命を賭けて死の直前に、執念の書「神曲」を完成させました。ダンテの生きた時代、フィレンツェでは、市民が教養としての学問や芸術を修道僧から取り戻し、詩人達は、権威主義的な教会の改革運動に熱心でありました。これが後に、イタリア全土での、人文主義(ヒューマニズム)によるルネサンスへと発展していくのであります。

イタリア語の原文の「音読」を♪

以上のように、「神曲」は、「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3篇から成り、それぞれが(地獄篇総序+)33歌から構成されています。また 詩行全体にわたって、三行を一連とする「三行韻詩」あるいは「三韻句法」の詩型が用いられています。 このように、聖数「3」と完全数「10」を基調とした数字を『神曲』全体に行き渡らせることで、「三位一体」を作品全体で体現しようとしたものとなっているのです。

最後になってしまいましたが、イタリア語の響きの美しさに加え、上記のように韻の施された、原文の「神曲」を、是非とも入手され、「音読」して味わって頂きたいと思います♪

Let’s ラテン語♪

ウエタツです。

今回は、西洋諸語の「源流」ともいえる、ラテン語について、書いてみたいと思います。

ラテン語?ラテン語なんて、今じゃ使ってるとこないし、「死語」なんじゃないの?と思われるかも知れません。

確かに、今現在「公用語」として使われているのは、バチカン市国のみ、それも教会の文書などがメインで、日常的に使われているのはイタリア語ということですから、あながち間違いではありません。 (写真は、サン・ピエトロ大聖堂)

しかし、前に「ロマンス諸語・ゲルマン語派」で見たように、ラテン語から、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語等は派生してきており、また「フランス語を勉強すると、英語が伸びる?!」で見たように、1066年のノルマンコンクエストによって、フランス語の大量流入を受けた英語、またドイツ語をはじめゲルマン語派も大きく影響を受けております。

こうした「祖語」「源流」である言葉を学ぶことは意義のあることであり、事実、ラテン語の知識は一定の教養と格式を表すものとして、西欧諸国では学ばれてきております。

また言語の「学習」という面からも、ラテン語には、西欧諸語の、凝縮されたエッセンスが詰まっているのです。

更に、日常会話としては、死語に近いともいえますが、フィンランド国営放送では、ラテン語のラジオ番組があったり、また欧米知識人の間では、詩や小説をラテン語で書いたりと、根強い人気があるのです。

ラテン語の歴史

元々は、古代ローマを中心とした地方で使われていた言語で、「古ラテン語」と称されるものがありました。

その後、前3世紀頃から、ギリシア文化の影響を大きく受け、ローマ最大の詩人ウェルギリウス(Vergilius)、『ガリア戦記』の、あのカエサル(Caesar)の活躍した、前1世紀頃に、現代に伝わる「古典ラテン語」と呼ばれるものが完成をみます。「書き言葉」として完成をみた古典ラテン語ですが、一方で、兵士や商人、庶民の間では、「話し言葉」として独自の変化・展開をたどることになります。「俗ラテン語」と呼ばれるものです。

この「俗ラテン語」が、幾世紀を経て、各地に拡がり、「ロマンス(ローマ)諸語」として、イタリア語、フランス語、ポルトガル語等々へと変化していくのです。

書き言葉としての「古典ラテン語」は、中世の一時期に多少のくずれはあるものの、ほぼそのままの形で、近現代へと、西欧諸国における、いわば「共通言語」として受け継がれてきております。

特に、学問的世界では、①学術用の語彙が整備されている、②死語であるため、文法的な変化などがない、③中立的である、等の理由から、 ラテン語は、なお権威ある言葉であり、世界的に高い地位を有する言語であるといえます。以下に、具体例を挙げてみます。

学術用語として(医学用語、解剖学用語)

cholera コレラ。

rheumatismus リューマチ。ラテン語としては「レウマティスムス」。

bronchitis 気管支炎。気管支(bronchium)の炎症の意味。

tuberculosis 結核。ツベルクリン(tuberculinum)に対する反応で診断できる。ツベルクリンというのは、結核菌を培養・殺菌・濾過(ろか)した液のことです。

gaster 胃。「ガスター」という胃薬がありますね♪ラテン語は「ガステール」。

virus ウィルス 毒

lingua(リングア) 舌。ここから派生して「言語」の意味もあります。

日常語、商品名など

また、ラテン語由来・起源とされている日常語、商品名なども、実は、たくさんあります。「共通言語」ということもありますが、何となく格式があって、音の響きも格好いい♪というのも理由としてあると思います。ただ、商品名や会社の名前などは、採用した言葉の時代、語形、解釈などから、微妙なものもあるようです。

a.m.(ante meridiem アンテ・メリディエム) 午前

p.m.(post meridiem ポスト メリディエム) 午後

cf.(confer コンフェル) 比較・参照せよ

nivea(ニベア) は「雪」ないし「雪のように白い」の意

prius(プリウス) は「~に先立って、先駆け」の意

bellum(美しい)+ mare(海)で Bellmare (ベルマーレ)

resona(りそな) は「共鳴せよ、響き渡れ(命令形、単数)」の意

発音・文法など

細かくみていくとキリがないので、また別の機会に譲るとし、ここでは簡単に特徴だけ書いておきます。

アルファベットは、23文字です。I(J)、V(U)が被り、Wがありません。「ヴ」の音がなく、上の例で挙げたように、virusで、「ウィルス」です。

発音は、基本的に「(まさに)ローマ字式」です。日本人には親しみやすいといえます。ただ母音の長短、アクセントには、注意が必要です。

文法的には、難解なところもあるのですが、単語自体の「語形が変化」するという基本的な特徴があります。また、動詞は、人称、数、法(直説法・接続法・命令法・不定法)、相(能動相・受動相)、時称に応じて、変化(活用)するなど、後の各言語の原形ともいうべきものがみられるのですが、詳しくは、また別の機会に書きたいと思います。

☆☆☆

以上、ホントにザッとですが、ラテン語について書いてみましたが、多くの言語が存在するけれども、各言語が、別々に成り立ち、存在しているものではなく、互いに影響し合い、底流の部分では繋がっているんだ、という意識を持つことは、多言語を学ぼうとする上でも、また、いずれかの言語を究めようとする上でも、とても大事な視点であると思います。

ラテン語、ちょっとカジってみませんか?

Pax mundi per linguas(パックス ムンディ ペル リングアス)

ラテン語で、「多言語を通じて世界平和を」です。

(参考:はじめてのラテン語 大西英文著 講談社現代新書)

こちら○○救急隊です!~【警備員のボヤき】

傍らにある、電話の呼び出し音が鳴った。

受話器を取る。「ハイッ、凸凹病院です!」

「こちら○○救急隊、63歳男性、胸が苦しいと、痛みを訴えてます。…バイタル(生命兆候)、血圧180-250、脈拍(心拍数)85、呼吸毎分40、体温37℃……」

…訳も分からず、ひたすらメモる…。

救急隊員が聞く。「…以上ですが、受け入れ可能ですか?」

「お待ち下さい」と言って、内線電話に切り替え、当直医の先生を呼び出す。

「…先生!○○救急隊からで、63歳男性……」

先生がOKを出されると、電話を戻して、「先生、診るそうです。どの位で到着しますか?…」

……これも、もう十年以上前になるが、警備会社からの派遣で、病院の「夜間休日急患受付」というのを、幾つかの病院でやったことがあった。警備の制服ではなく(別に警備員が駐車場などにいる病院もあった)、事務服を着せられ、病院の職員さんと、いわゆる「医事課」の代役を務めるのである。

今、一緒に多言語を学ぶお仲間に、ドクターの方もいらっしゃるのだが、その方の言うには、「昔は、警備員が受け入れの可否を決める所もあった」そうだ。さすがにボクはソレはなかったが(ドクターが「診ない!」と言えば断ったがw)、その辺りも含めて、今はだいぶ事情も違うかも知れないが、ご了承願いたい。

ドクターとナースと一緒に待っていると、程なくして救急車が到着する。急患の方がストレッチャーに乗せられて、皆が診察室の方へと移動していく。

ここでボクの出番である。ご家族をはじめ付き添いの方を捕まえて、手続きをしてもらうのである。

「えーと、ご家族の方ですか?保険証は、お持ちですか?こちらは初めてですか?こちらの紙に御記入を……」

その後、パソコンを使い、初診ならばカルテを作る。掛かり付けの方だったりすると、カルテ室に走り、他科のカルテや、心電図やレントゲン写真などあれば全て揃えて、診察室へとダッシュするのである。

しばらくすると、診察を終えて、患者さん(患者「様」と言うように言われた病院もあった)本人、ご家族の方が、やって来る。一応治まって、お帰りの場合は、何でもかんでも一律に¥5,000とかの預かり金を頂き、診察券を発行して、次回の御来院等の確認をして、お帰り頂く。(熱心な医事課のお姉さんがいて、分厚い保険点数のファイルを渡され、教え込まれたこともあったw)

学生さんの急性アルコール中毒とか、喘息の発作とかでお越しの場合は、点滴や吸引を終えると帰られることが多かった。

が、救急搬送の場合は、大概ナースセンターから連絡があり、入院となる。そうなると今度は入院の事務手続きである。また場合によっては緊急手術なんてこともあり、その場合は麻酔科の先生に連絡を取ったりしなければならなかった。

当直医は、基本外科系と内科系の2人の先生がいるのだが、小児科とか産科、眼科や耳鼻科の先生が御担当の時は、問い合わせが多かった。また交通事故で複雑骨折とかいうケースだと、いわゆる「三次救急」当番の病院でないと対応できない為、断ったりしていた。インフルエンザが流行った時には、患者さんが大挙して押し寄せ、山のようなカルテを診察室に運びながら、それまで「医療過誤」について激しく批判的だった自分の心が、少し和らいだ気がしたw。

基本的に、平日は夕方~朝9時頃、日曜休日は朝9時頃~翌朝の勤務であった。救急専門というワケでもないので、日曜の午後などは、相棒の職員さんと雑談などしていると、ナースセンターからの内線電話が鳴る。

「605号室の××さんの容態が急変しました。至急、△○先生に連絡して下さい!」

そこで、ゴルフに行っているかも知れないwドクターのポケベル(懐かしいw)を鳴らす。ドクターが戻るのと前後して、××さんの御家族もやって来る。多くの場合、残念ながら、しばらくすると、ナースセンターから、お亡くなりになったとの連絡が入る。提携の葬儀社に連絡し、霊安室の準備をする。御遺族の方が書類を持って、やって来る。ドクターのサインの入った死亡診断書の作成も仕事だった。目の前で号泣されたこともある。やり切れない。

一応、病院の「守衛さん」なので、何回か「巡回」もある。待合室から始まって、病棟、診察室、手術室、解剖室、リハビリセンター、透析センター、新生児棟、霊安室、ドクターの個室などまで見て回った。また駐車場や看護師寮などの外周も巡回した。夜更けの看護師寮前には、何故か高級スポーツカーが多く並ぶw。

病院…それは、「生」と「死」が、まさに日常的に飛び交う場所である。

理数系が苦手なのに、手塚治虫先生の「ブラックジャック」などの影響もあってか、厨二病のように「医学部」など夢見たこともある自分であったが、ナマのドクターやナース、医療の現場を垣間見れたのは、貴重な経験であった。思い出したら、また書いてみたい。

断捨離~DAN・SHA・RI

暑中お見舞い申し上げます。ウエタツです。

夏休みだよ♪という人もいれば、お盆も関係なく仕事だよ!という方も…お疲れさまです(汗)

海や山に、そして行楽地と、大変な賑わいのことと思いますが、ボクの部屋も、大変な賑わいというか、日頃の不摂生が祟りまして、散らかりまくり…6畳一間のアパートですが、主の自分の居場所がないほどに……。

まずゴミ…お金は全然貯まらないのに、イヤ、ホントにゴミは、よく溜まる。次に洗濯物。まぁ、これらは、言わずもがなですが…服は、普段、警備の制服でいる時間が長いことと、あまり執着がないことから、それほどではないのですが、まぁ、それなりにはある。厄介なのが、でありました…。

お金はなくても、読む時間もなくても、あれこれ本を買い集めるのは大好き♪でして…まして多言語、なんてなると更に…あまりのことに今年の初めには、アマゾンで結構な量を処分したりしたのですが…売れたお金で、また新しい本を買うという…。そこで、少し時間が取れたので、「断捨離」を決行しようと思い立ちました。

「断捨離」という言葉は、既にかなり定着しているようですが、元々はどこから来た言葉なんでしょうか。ボクは、「お盆の起源」の話に絡めて書こうとしたように、仏教から?とも思っていたのですが…。

実は、心の執着を手放すための、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得て、ヨガを日常に落とし込み、住まいとココロの片付け術として応用提唱したものだそうです。まぁ、深い部分では仏教と繋がっているのかも、ですが…。

やましたひでこさんの著書で広まり、商標登録されているようです。

さて、「片づけ」といえば、「こんまり」さんこと近藤麻理恵さんのアメリカでの大ヒットが話題になりました。

2014年に著書が英語タイトル「The Life-Changing Magic of Tidying Up(ザ・ライフチェンジング・マジック・オブ・タイディングアップ)」で翻訳され、 2015年には『タイム TIME』の「世界で最も影響力のある100人」に選出されています。

単なる「片づけ」ではなく「人生を変える魔法」としてセラピー的な位置づけがされたこと、「ときめき」の英語訳「Spark-joy(スパークジョイ)」がキャッチーであったこと、「捨てる前に物に感謝する」という行為がアメリカ人には新鮮だったことなどが、社会現象とまでいわれる一大ブームを巻き起こした要因と言われています。

当然、アンチも出て来る訳で、蔵書家などの反発があったり、著名な女性作家の、「英語が話せない人間が、アメリカで仕事が出来ることは、アメリカの衰退を意味する」 といった、根の深い差別心を窺わせる批判があったりしたようです。

ところで、「断捨離」を英語で言うとどうなるか?について、最小限のモノで暮らすライフスタイルである、minimalism(ミニマリズム)などが挙げられていますが、ピッタリとくる訳語はなさそうです。

また、「断捨離依存症」などという言葉もあるようです。何ごとも「過ぎたるは猶及ばざるが如し」(論語)で、「片づけ」それ自体が目的ではなく、物心ともに整理整頓することで、「開運」というか、人生を良い方向へと持っていくことにこそ主眼があると思います。

「断捨離」という言葉は、改まった場に臨んでは、「身を清める」といった表現に象徴されるように、元々綺麗好きで、潔癖症な、日本人の国民性と親和性のあるものなのかも知れません。

ともかく、そんなこんなで、ボクの部屋からも、大量のゴミと洗濯物が片付けられ、10束ほどの本と、なお数束の新聞等々が、「断捨離」されることとなり、無事、主(あるじ)は手足を伸ばして寝ることが出来るようになりましたw。

皆さまも、お盆のひととき、「ときめき」を感じながら♪禁断の場所wに手をつけて、「断捨離」にチャレンジしてみませんか?新しい何かが見つかるかも知れません。メルカリなどに出品できれば、ちょっとしたお小遣いも、なんてこともw。

映画「美味しいごはん」♪

ウエタツです。

お台場で行われた、「美味しいごはん」という自主上映の、ドキュメンタリー映画の上映会に行ってきました♪

この映画の英語字幕版を作成するに当たって、翻訳に携わられたエバンス愛さんのメルマガ(「独学で英語の達人」)での御案内で、あの松本道弘先生が翻訳の指揮をとられたと伺い、是非にも!と参加したのでした。

上映会は、新田祐士さん主宰の「NEXT DIMENSION」というコミュニティの、【ゼロレボ】ZERO Revolution MATSURI !!~ゼロから新しい自分に生まれ変わり、人生に革命を起こす、と銘打たれたイベント企画として行われました。そして「食」をテーマに、令和の新時代の生き方、食べ方、働き方について問うというものでした。

この映画は、大阪府枚方市樟葉(くずは)にある、家庭料理のお店、「御食事ゆにわ」の店長である、ちこさんの日常を伝えるドキュメンタリー映画です。

「御食事ゆにわ」は、決して便利な場所にあるわけではありませんが、食べると幸せになる、元気になると、日本全国からお客様が途切れない人気店。

そこを訪れた人からは、「御食事ゆにわのごはんを食べただけでなぜか涙が止まらなかった」という声だけでなく、「長年悩んでいたアレルギーが治った」「ずっとできなかった子宝を授かった」など、普通の飲食店ではありえないような声がたくさん届いているというのです。 

その陰には、祈りを日常に取り入れながら、流れにのって行動すること、一人の力を超えて仲間と一緒に輝くこと、エネルギーの高い場を作り場の力に応援されること…… 決して華やかなことばかりではないけれど、日々、人の役に立つ喜びを全身で感じながら、食と向き合い、働くことの尊さを伝える姿がありました。

70分ほどの映画でしたが、真摯に、ひたむきに働く、ちこさんの姿には、心打たれるものがありました。

さて、そんな映画なので、古神道や禅の思想を説明するシーンがあったり、オノマトペがふんだんに使われていたり、日本語特有の言霊(同音異義語)が出て来たりで、英語字幕版を作成するに当たって、そのあまりの難解さから、「最後のレジェンド」と申し上げても過言ではない、松本道弘先生にお願いされた、ということでした。

休憩時間に、ロビーで語らわれていた松本先生を見つけ、その場に加えて頂きました。ご挨拶させて頂いた後、先生に「如何でしたか?」と尋ねられ、率直に「難しい単語(ビッグワード)をほとんど使わずに、あの『場の空気』を伝えているのは、さすがにスゴいなと思いました」と、お答えしました。

また最後10分ほどのシーン、ちこさんが、朝起きて、祈りを捧げ、厨房に向かい、ご飯を炊き……という場面が、サイレント(沈黙)で流れるのですが、そこに英語だけテロップを入れたのはどうだったか?など尋ねておられました。

実際、例えば、「彼女は、人が自然に集まってくる人なんです」というセリフ。原案では “People are naturally drawn to her.”だったそうですが、松本先生の斬れる英語では “She is a magnet.” !!!…といった感じでありました。

イベントは第二部となり、主演の、ちこさんの御登壇となりました。ちこさんは、こちらのコミュニティとの思い出、また自分を救ってくれた塾長先生に師事された思い出などを交え、食について熱く語られ、①たとえコンビニ弁当であっても、光(命)と見立てて、お腹を満たす、②一人でも、暖かい食卓を作る、③目の前の目標と、より高い高い目標とを掲げ、一食一食が、この先の未来に影響しているんだということを考えていって欲しい、と訴えておられました。(*写真、素敵な笑顔が撮れませんでした。ちこさん、ゴメンナサイ(汗))

続いて、この映画の総合プロデューサーであり、経営コンサルタントの小田真嘉さんの御登壇となりました。小田さんは、人生を、運命を変える「邂逅」に恵まれるための3つのポイントとして、①「問い」を持ち続ける、②会いたい人リストを作り、自分から会いに行く、③ご縁を頂いた方々に、最善を尽くしてお役に立つ、を挙げられ、「周りの人生を変える仕事をすれば、自然と自分の人生は変わっていく」と話されました。

また、松本道弘先生も御登壇され、御挨拶を頂きました。

最後に、ちこさん、小田さんをはじめ、運営スタッフの方々が御登壇され、活発な質疑応答が交わされました。印象に残ったのは、「物事の解釈1つで状況は変わっていく」「おむすびは『光のボール』を作ること。食べてもらう人のことを『むすばれるように』とイメージしながら」「令和という時代は、『むすぶ』時代。精神性というか、『お腹で感じながら!』、ちょっとずつでも想っている人達と融合していければ」などでした。

とても刺激的な、学びの多い1日となりました。ありがとうございました♪

映画「美味しいごはん」公式サイト https://oishi-gohan.com/

松本道弘先生×映画「美味しいごはん」
https://dokugakuenglish.com/ra/s/oishiigohan

お盆・盂蘭盆(うらぼん)

ウエタツです。

相変わらず暑いですね…。もうすぐお盆休み。今年のお盆は、13日~15日ということですが、早い方は、もうお休みを取られたりしているのでしょうか。9連休とかいう話も…羨ましい限りですw。

ところで、皆さまは、「お盆」の起源ってご存知でしょうか?「ん?お盆だから墓参りだよ。先祖供養でしょ?!」とか言わずにw、昔話や物語が好きなもので、少々お付き合い下さいませ♪

お盆は、正式には「盂蘭盆(うらぼん)」といって、 サンスクリット語の「ウランバナ(逆さに吊される苦しみ)」という言葉 、 また最近では、イラン語の「ウルヴァン(死者の霊魂)」という語が起源ともされています。

仏教は、インドから中国に渡り、そして日本に伝わったものですから、その起こりは、やはりお釈迦さまなわけです。 そのお釈迦さまの「十大弟子」と呼ばれた内のお一人に、目連尊者という方がおられました。

目連尊者は、「神通第一」と呼ばれ、様々な神通力を身に付けていました。ある時、自分を慈しみ育ててくれた、亡き父母の恩に報いようと、三千世界を見通す眼をもって、今の父母の姿を探し出そうとしました。

わが最愛の母の姿やいずこ? ……極楽にもいません。天の世界にもいません。やっと見つかりました。なんとお母さんは、 生前に欲深かった者が死後に行く世界である、餓鬼の世界にいたのです!

飲むものも飲めず食べるものも食べられず、ガリガリに痩せて大変苦しんでおりました。まさに、逆さにつるされたような苦しみ(「ウランバナ」)を味わっていたのです。

目連は、驚いて、すぐさま神通力をもって、飲み物や食べ物を送り込みました。しかし、お母さんが、それを口にしようとすると、燃え上がって、飲むことも食べることも出来ないのです。目連は泣きながら、お釈迦さまのもとへと走りました。

お釈迦さまは、「お前の母親は、我が子可愛さ故に、他人の子を顧みることなく、物欲が深かった為に、餓鬼道に落ちたんだよ」と、説かれました。そして、「その罪は重く、お前にも、天神、地神、邪鬼、外道、道士、四天王神たちにも救うことは出来ないのだ」と言われました。「しかし…」と、お釈迦さまは続けられました。

「90日間の安居(道場や洞窟に籠もって修行を行う)が終わり、たくさんの僧が一堂に集まり、過去の罪を懺悔してさらに仏道の修行に勤しむ日である、7月15日に、多くの僧達に供養しなさい。そうすれば、お前の母も、縁する者達も、罪を免れ、苦しみから救われるでしょう 」

と、説かれました。そして更に、ほかの多くの者達も、同じように供養することで、苦しみから免れ、天の世界の楽しみを享受するであろう、と言われました。このことが起こりとなって、中国に伝わって、先祖供養が主体となり、更にそれが日本へと伝わって、現在の「お盆」へと繋がっているのです。

思いがけず、長くなってしまいました。実は、「お盆」の話はサラッと書いて、「断捨離」の話を書こうとしていたのですが、一旦終わりにします。それでは。

多言語・定例セミナーに参加♪

ウエタツです。

溝江達英先生の多言語コミュニティの、定例セミナーに参加してまいりました♪

普段は、Zoom講義などを通じて学びを深めているのですが、月に一度、都内某所に、全国から(時には海外からも!)集い合って、直接、溝江先生からのパワー・エネルギーを頂き、また皆でお互いに高め合っているのです。

今回、先生は、奥様をお連れになって来られました。先生の奥様は、なんと、ロシアの方なのです!

ボクは、英語・イタリア語・フランス語・ドイツ語・中国語を勉強しているのですが、溝江コミュニティでは、別枠で、ロシア語・スワヒリ語(!)の講義もあり、奥様はロシア語を担当されているのです。

セミナー開始前に、ロシアの飲み物・食べ物を御馳走になりました。左の写真は、KBAC [クヴァス] という、黒パンを発酵させて作るジュースです。コーラに似た感じですが、微妙な味わいです。ロシアでは、水代わりのように飲まれるそうです。

右の写真中央が、ドイツ語で Butterbrot [ブッターブロート]ロシア語では бутерброд [ブッテルブロート]といわれるドイツ風オープンサンドイッチ、黒パンにスモークサーモンをのせたものを頂きました。左は、下の写真右のお菓子、右側は、沖縄土産?のパイナップル。奥様手ずから切り分けて下さいました。とても甘く、美味しかったです。

ロシアのお菓子です♪

たっぷりロシアを味わったところで、ロシア語を学びました。

Здравствуйте! ズドラーストヴィチェ! いちばん丁寧な言い方の「こんにちは!」です。

До свидания ダスヴィダーニャ  やはり、いちばん丁寧な言い方の「さようなら」です。

Спасибо! スパシーバ!  ありがとう!

Простите пожалуйста プラスチーチェ パジャールィスタ ごめんなさい。

ほかにも色々教わりましたが、まずは33文字ある「キリル文字」をシッカリ覚えないと、ですね…。昨年暮れくらいに、少々手ほどきを受けたのですが、またロシア語「も」勉強したい!熱が再燃しそうです♪

さて、後半は、フランス語の復習をやりました。とはいっても、もちろんロシア語、イタリア語などと比較しながらです。

更には、語学力を武器に、様々に応用展開していくヒントなど、溝江先生よりお話がありました。

こうして有意義な学びの時を終え、いつもなら参加者皆でどこぞへwとなるのですが、今回は、お盆休み前ということもあってか、皆忙しい中で参集したようで、数人の仲間と、ピザをかじって、帰途についたのでした。

楽しい、充実した時を過ごさせて頂きました♪

溝江先生、奥様、ありがとうございました♪

暑過ぎる!?…【警備員のボヤき】

ウエタツです。

暑い日が続きます。真夏日、猛暑日というヤツです。

ちなみに、最高気温が25℃を超えると「夏日」、30℃を超えると「真夏日」、35℃を超えると「猛暑日」といい、また夜間の最低気温が25℃以上の日を「熱帯夜」というそうです。

具体的な数字で言わないでくれ!余計に暑くなるッ!なんて声もありますが…w。

それはともかく、 夏といえば、「熱中症」です。

特に交通誘導、雑踏警備に従事する警備員、ガードマンは、外仕事なので、何よりまず、「暑さ・寒さとの戦い」「ガマン大会」になります。実際に、毎年夏になると、救急車で現場から運ばれるガードマンが、何人もいます。なので、会社からも、業者さんからも、現場でも、再三に渡って注意喚起が促されます。

現場で、割と自由に動けるならば、日陰に逃げたりも出来るのですが、大抵そうはいきません。特に交通規制をして、車両の誘導を伴うとなると、厳然と「立ち位置」があり、ジリジリと照りつける太陽の下、奮闘しなければいけません。もう2メートルずれたら日陰なのに…なんてことも、しょっちゅうです。

ヘルメットの下にサンバイザーを忍ばせ、タオルやらアイスノンを巻き、 2リットルのペットボトルや、バカでかいポットを持ち歩き、塩アメを舐めたり、カリカリ梅をかじったり……。腕まくりなどは、よく見かけますが、「見ばえ」もあるし、現場での安全ということから、原則禁止なのです。

冗談交じりに、麦わら帽にタンクトップ、短パンにビーサンで交通誘導をやりたい!などと言ったりもしますw

もちろん、ガードマンばかりでなく、工事に携わる作業員さんも、熱中症の危険は大いにあります。肉体労働で汗をダラダラと流し、少々ハードな工程でやっていたりすると尚更です。

実際、ある作業員さんが、自分のいる方へフラフラとやって来たかと思えば、目がうつろで、足下もおぼつかない様子…すぐに日陰で横にならせ、皆で水をぶっ掛け、119番です。また、マンホールや共同溝といった地下作業だと、更に危険です。全身ゆでダコ状態で、やはり119番ということもありました。

また、この時季は、誘導していても、救急車の出動が多いように感じます。 車の通りの激しい道路で、幅寄せ(片側が二車線以上もしくは幅の広い道路で、避けて通ってもらう)、片交(片側交互通行)などしていて、救急車をはじめ緊急自動車のサイレンが聞こえると、一気に緊張感が高まります。

また普段は「夜勤は出来ません!」とか言っている人が、急に「夜やりたいです!」と言い出したりしますw。確かに昼間に比べれば、夜は、だいぶ暑さも和らぎますが、アスファルトの道路には、昼間の熱が残っており、暑苦しさに変わりなく、暗いだけ!という印象もあります。

このところ、お盆休み前で、工期の関係もあることから、昼夜の連勤が続きました。普段でも、少しでも稼ぎたい!という人は連勤したりしますし、以前はボクもよくやりましたが、この時季は、まさに体力勝負です。

先日、いつもの昼間の、通信業者さんの作業で、あるお宅の前の電柱作業をしていたところ、そのお宅の奥様が、冷たい、自家製の紅茶を持って来て下さいました。宅内作業ではたまにありますが、外の一般作業では、まずあり得ません。冷たくて美味しい、その紅茶は、とても温かく、有り難く頂きました。

熱中症は、室内にいても起こる危険があります。実際にボクも、扇風機しかないアパートに住んでいた頃、休みの日に昼寝していて、ゼェゼェハァハァ、死にそうになって起き上がったことがありますw。

夜、寝る時も、「枕元にコップ一杯の水を用意しておくことが、あなたの命を救う!」などと言われたりもします。ただの水よりも、スポーツドリンクの方が良い!とも言われます。

多言語の記事を書こう!、としていましたが、少々暑さ負け、バテバテw…。

ちなみに熱中症は、英語で、heatstroke、フランス語では、 l’ hyperthermie 、 日常会話では le coup de chaleur などといいます。

皆さまも、熱中症には充分お気をつけ下さいませ。